長期休みの過ごし方

春休み、夏休み、冬休みなどの「長期休み」。学校という「決まったスケジュール」がなくなるこの期間、発達特性のある子どもたちにとっては、意外にも過ごしにくい時間になることがあります。一日だらだら過ごしちゃう、動画ばっかり、生活リズムが崩れちゃった、などなど、親の悩みは尽きません。今回は、そんな長期休みを「少しでも安心して」「有意義に」過ごせる工夫をお伝えします。

1.「毎日同じ流れ」を意識してスケジュールを立てよう

発達特性のある子は、「見通しが立たない状況」が苦手なことが多いです。
急な変更や、予定がないことで不安になったり、パニックになったりすることもあります。

対応のコツ:
• 朝起きる時間、食事、勉強や遊びの時間などを「ざっくり」でも決めて、毎日ほぼ同じ流れで過ごせるようにしましょう。
• ホワイトボードやカレンダーに予定を書き、子どもと一緒に確認します。
• 絵やイラストで視覚的に示すと、理解しやすくなります。

2.「外出ゼロ」は避けよう。環境の変化が脳への刺激に

長期休みにずっと家にいると、生活が単調になり、気持ちが不安定になることがあります。
外の世界に触れることで、気分転換にもなり、感覚の刺激にもつながります。

対応のコツ:
• 公園に行く、スーパーに一緒に買い物に行く、図書館に行くなど、日常的な外出を1日1回取り入れてみましょう。
• 人混みが苦手な子には、時間帯を工夫(午前中の早い時間など)するだけで、ずっと安心して外出できます。

3.遊びは「本人の得意」を伸ばすチャンス!

長期休みは、勉強だけでなく「遊びを通じた成長」にもピッタリの時間。
ASD(自閉スペクトラム症)やADHDの子は、興味のあることに集中できる力があります。

対応のコツ:
• 工作やレゴ、パズル、プログラミングおもちゃなど、「好きなこと」を思い切りやらせてあげましょう。
• ADHDの子は体を動かす遊び(トランポリン・サーキット遊びなど)で、エネルギーを発散させると落ち着きやすくなります。

4.勉強は「量より習慣づけ」を大切に

長期休みになると、学習のペースが乱れがち。でも、無理にたくさんやらせると逆効果になることも。

対応のコツ:
• 毎日10分だけでもいいので、勉強の時間を「決まった時間に」「短く」設定。
• タブレット学習や音読、計算カードなど、子どもが好きな方法で続けられる工夫を。

5.「疲れすぎ」に注意!休みの日こそ“何もしない日”を

普段と違うスケジュールに子ども自身が疲れやすくなるのが、長期休みの落とし穴
おでかけやイベントを詰め込みすぎず、意識して「ゆっくりする日」を作ってあげましょう。

対応のコツ:
• 親子でゴロゴロする日、ゲームや動画を一緒に楽しむ日など「心を緩める時間」を大切に。
• 「何もしない=悪いこと」ではありません。回復のための大事な時間です。

6.おうちの人もがんばりすぎないで

長期休みは親も大変。家でだらだらしているのを見ると「毎日イライラしてしまう…」そんな声も少なくありません。またフルタイムで働いているお母さんは、子供の生活スケジュールを立てて子供の居場所を確保するのに大変なことも少なくありません。本当に、本当にお疲れ様です。

対応のコツ:
• 子どもが夢中になっている間に、親もコーヒータイムを。短い時間でも「自分の時間」を意識的に取ることが大切です。
• 「できなかったこと」より「できたこと」「今日はがんばったこと」を一緒に振り返って、小さな成功体験を大切に積み重ねていきましょう。

まとめ

長期休みは、ペースが崩れやすい時期。でもちょっとした工夫で、「安心」と「成長」を支えられる大切な時間に変わります。
親御さんの無理のない範囲で、お子さんに合ったリズムを一緒に見つけていけたらいいですね。

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